寒い夜、疲れた体で家路を急ぐスミ子。
六本木の路上で、一人の紳士とすれ違う。すれ違いざまに「お疲れさま」と紳士は声を掛けて来る。誰だ?

電車で自宅のある砂町に戻り、スーパーに入ると、また見知らぬ男性から、声が掛かる。誰だ?

回想、悔悟、惜別の悲しみ。あの人との懐かしい時間。降り出した雪。身を包む白い空気。
そうか今日は、ホワイトデー。

yagachan について

長野県諏訪市出身、東京育ち、現在、千葉県柏市在住。 早稲田大学文学部在学中に米バッファロー大学に留学し、そこでシェイクスピアに出会い、熱中する。しかし帰国後父親が急逝し、やむなく文学への道を諦め、実家の食品店を継ぐ。 以降、紆余曲折を経て、無添加キムチを製造販売する「やがちゃんキムチ」を...
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